高齢化社会が進む日本では自立して
生活できる年齢、「健康寿命」
という言葉が出てきました。
しかし何もしなければ年齢を重ねるごとに
筋肉が減少し筋力や運動能力が低下します。
このことを「サルコペニア」と言います。
今回はこのサルコペニアについて解説します。
サルコペニアの定義
サルコペニアは筋力低下ではなく、
筋肉そのものが減少することを指します。
つまり物理的に筋肉が小さくなります。
有酸素運動で使われる遅筋より
無酸素運動で使われる速筋の方が
小さくなります。
一般的に加齢とともに筋肉量は徐々に減少し、
40歳を過ぎたあたりからそのペースが
速くなるとされています。
特に60歳以上になると筋肉量が急激に
減ることがあり健康寿命を脅かします。
サルコペニアの原因
サルコペニアの原因には
以下のようなものがあります。
加齢による筋肉の自然減少
年齢を重ねることで筋肉を作り出す能力が
低下します。
運動不足
特に高齢者に多く見られますが
身体を動かさないことで筋肉が萎縮します。
栄養不足
タンパク質やビタミンDの不足が
筋肉量の減少に影響を与えます。
ホルモンの変化
加齢に伴うホルモンの減少
(成長ホルモンやテストステロンの減少)が
筋肉の維持に影響を与えます。
慢性的な疾患
糖尿病や心疾患、腎疾患など、慢性疾患が
サルコペニアのリスクを高めます。
サルコペニアが進行するとどうなるか
サルコペニアが進行すると筋肉量の
低下だけでなく、筋力や持久力も低下し
以下のような影響が出ることがあります。
歩行速度が遅くなる
階段の昇降がつらくなったり、
長時間の歩行が苦痛になることがあります。
転倒しやすくなる
筋力が低下することでバランスが取れなくなり、
瞬発力も落ちているため転倒や骨折のリスクが
増加します。
日常生活の動作が困難になる
買い物や掃除などの基本的な動作が難しくなり、
独立して生活することが困難になります。
そうなると椅子に座ってテレビを見るだけ
といった運動しない悪循環が発生します。
自信喪失や精神的な問題
身体的な制限が精神的な負担となり、
うつ症状や社会的孤立が生じることもあります。
サルコペニアの診断方法
サルコペニアが進行しているかどうか
自分である程度判断することが出来ます。
手のひらで握力を測る
握力は筋力を測る簡単な方法のひとつです。
目安として男性は25キログラム未満、
女性は15キログラム未満の場合、
サルコペニアの可能性があるとされています。
立ち上がりテスト
1分間に椅子から何回立ち上がれるかを
測定する方法も有効です。
5回以下であればサルコペニアの可能性が
あるとされています。
サルコペニアの予防
サルコペニアは早期に予防や対策を行うことで、
その進行を遅らせることが可能です。
以下のような生活習慣を取り入れて
筋肉量の維持を目指しましょう。
筋力トレーニング
自宅でできる簡単な筋トレや
ジムでのトレーニングを取り入れましょう。
有酸素運動も効果があります。
バランスの取れた食事
筋肉を維持するためには十分なタンパク質を
摂取することが大切です。
また、ビタミンDやカルシウムも
筋肉に良い影響を与えるため、
これらを含む食品を摂ることが重要です。
まとめ
今回は筋肉そのものが減少する
サルコペニアについて解説しました。
筋トレや運動をしている人は
筋肉を蓄える「貯筋」をしていますので
サルコペニアの進行を遅らせることが
出来ます。
このまま「貯筋」していきましょう。
筋肉を付けることに興味がない人も
老後に自立した生活ができるように
運動を始めてはいかがでしょうか。
以上です。